匠(たくみ)おじさん
まち子とセン太の叔父で、建設現場の責任者。子供に優しく、わからないことがあっても丁寧に教えてくれる。実はお得情報に敏感で、そういった話には常に目を光らせている。
まち子
小学校2年生で、セン太の妹。年齢のわりには落ち着いていて、ママ似のしっかり者。物分かりがよく、知らないことへの好奇心も強い。
セン太
小学校5年生で、まち子のお兄ちゃん。サッカー好きの元気な少年だが、時々ドジなこともやらかしてしまう。肝心な場面では、時には妹のまち子に一歩遅れてしまうことも。
家を建てる。言うまでもなく、人生において最も大きな選択のひとつです。
しかし現状、住み始めてから家づくりを後悔する人が、後を絶たちません。
なぜでしょうか。…それはひとえに、家を建てる前の情報収集が足りないからです。
本ページでは、家を建てる前に”絶対に知っておいてほしい情報”を掲載しています。
「いい家」について、改めてお考えいただくためにも、ぜひ最後までご一読ください。
クルマやスマートフォンと同じように、
住宅にも性能があります。
ここでは、動画にも出てきた住宅の
主な4つの性能について
より詳しく説明しています。
断熱等性能等級
外壁、窓等の断熱化等による
省エネルギー対策を評価
UA値とは、「外皮平均熱貫流率」と言って、外気に触れる住宅の壁や屋根、窓などから室内の熱がどのくらい外へ逃げやすいのかを数値で表したものです。住宅性能を測る数値のひとつとして、政府が推進している省エネ住宅やZEH(ゼッチ)住宅にも、UA値の基準値が設定されています。
外皮平均熱貫流率(UA値)=各部位の熱損失量の合計÷延べ外皮面積
UA値が大きい(熱が外に逃げている数値が大きい)=断熱性が低い
UA値が小さい(熱が外に逃げている数値が小さい)=断熱性が高い
2022年3月時点では断熱等級4のUA値0.87が最高等級でしたが、2025年にはUA値0.87が義務化され最低ラインとなります。日本の省エネ基準は今後さらに改定の方向に進みます。
一次エネルギー
消費量等級
冷暖房、給湯、照明などの機器の
エネルギー消費量を削減するための
対策を評価
※等級6の適合判定においては太陽光発電設備による削減量を除く。
ペアガラスで空気の層を作って
断熱効果を上げる
外壁・天井・床などに断熱材を入れたり、
空気の層を作って断熱効果を上げる
2050年に向けて、省エネ基準のさらなる段階的な水準の引き上げが予定されています。
住宅性能表示制度とは…。
住宅性能表示制度は、2000年(平成12年)4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、 同年10月に本格的に運用開始された制度です。
国土交通大臣は、住宅の評価を客観的に実施する第三者機関を登録住宅性能評価機関として登録しています。登録住宅性能評価機関は、申請に基づき、評価方法基準に従って住宅の性能評価を行い、その結果を住宅性能評価書として交付します。
住宅性能評価書には、設計図書の段階の評価結果をまとめたもの(設計住宅性能評価書)と、施工段階と完成段階の検査を経た評価結果をまとめたもの(建設住宅性能評価書)との2種類があり、それぞれ法律に基づくマークが表示されます。性能評価の料金は、評価機関ごとに独自に定めています。
設計住宅性能評価書のマーク
建設住宅性能評価書のマーク
日本住宅性能表示基準で取り上げた性能表示事項は35(新築住宅については33項目)あります。この性能表示事項は、次のような 10 の分野に区分されます。このうち、必須項目は 4 分野 9 項目となります。 その他については選択項目になり、登録住宅性能評価機関への評価申請の際に、評価を受けるかどうかを自由に選択することができます。
こうした事項は、次のような考え方に基づき設定されました。
詳しくは(一般社団法人)住宅性能評価・表示協会のページをご覧ください。
長期優良住宅認定制度とは…。
長期優良住宅認定制度は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅の建築・維持保全に関する計画を「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき認定するものです。2009年(平成21年)6月より新築を対象とした認定が開始され、2016年(平成28年)4月より既存住宅の増築・改築を対象とした認定も開始されました。
制度の紹介や利用を促す普及資料としてご活用いただくことを目的に、新築を対象とした長期優良住宅認定制度について、その概要と手続きの流れを説明しています。
長期優良住宅認定制度は2009年(平成21年)6月4日より施行され、2018年(平成30年)度末で全国の累計100万戸以上が認定を受けています。(実績数は新築と増築・改築の合計)
断熱等性能等級認定戸数は年間10万戸程度で推移しており、新築される一戸建て住宅の約4戸に1戸は長期優良住宅の認定を取得しています。
「長期優良住宅」とは大きく分けて以下A~Dの4つの措置が講じられている住宅を指します。
長期優良住宅(新築)の認定を受けた住宅は、補助金、住宅ローンの金利引き下げ、税の特例や地震保険料の割引等を受けることができます。条件等の最新の情報については各お問い合わせ先にてご確認ください。
地域の中小工務店等※が整備する木造の長期優良住宅について、補助金を受けることができます。
補助対象経費の1割以内の額で、かつ
1戸当たり140万円(最大)など
長期優良住宅を取得する場合、住宅ローンの金利の引き下げ等を受けることができます。
フラット35の借入金利を
当初5年間、年0.5%引き下げ
6~10年目、年0.25%引き下げ
返済期間の上限が50年間。
住宅売却の際に、購入者へ
住宅ローンを引き継ぐことが可能です。
長期優良住宅の認定を受けることで、一般住宅に比べて税の特例措置が拡充されています。
2023年12月31日までに入居した場合
控除対象限度額3,000万円→
5,000万円
(控除率0.7% 控除期間最大13年間
最大控除額455万円)
標準的な性能強化費用相当額
(上限:650万円)の10%を、
その年の所得税額から控除
2024年3月31日までに入居した場合
①保存登記
0.15%→0.1%
②移転登記
[戸建て] 0.3%→0.2%
[マンション] 0.3%→0.1%
控除額1200万円→1300万円
[戸建て]
1~3年間→1~5年間
[マンション]
1~5年間→1~7年間
長期優良住宅では、認定基準に定める耐震性が求められます。
所定の確認資料を提出することで、住宅の耐震性に応じた保険料の割引を受けることが可能です。
住宅が次のいずれかに該当する場合
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく
耐震等級(倒壊等防止)を有している建物であること。
(控除率1.0% 控除期間10年間 最大控除額500万円)
(割引率)耐震等級2:30%
(割引率)耐震等級3:50%
品確法に基づく免震建築物であること
(割引率)50%
詳しくは(一般社団法人)住宅性能評価・表示協会のページをご覧ください。
ZEH(電気・ガス併用仕様)
ZEH(オール電化仕様)
(1)建築基準法レベルの住宅
設計条件 | 家族構成 | 40歳代前半夫婦+子供2人 |
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敷地設定 (静岡市の住居系用途地域内) |
敷地面積:198.39㎡(60.1坪) 建築面積:66.24㎡(20.1坪) 延べ面積119.24㎡(36.13坪) 1階:63.76㎡ 2階:55:48㎡ |
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構造 | 木造住宅2階建(在来工法) (柱105mm、通柱120mm 無垢材) | |
屋外仕上表 |
|
|
屋内仕上表 | 床:フローリング(トイレ・脱衣洗面所:クッションフロアー 玄関:タイル 和室:畳) 壁・天井:ビニールクロス(壁下地:プラスターボード厚さ12.5mm 天井下地:プラスターボード厚さ9.5mm) |
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設備機器 | システムキッチン、ユニットバス1616、洗面化粧台W750×2ヶ所、トイレ(シャワートイレ付)×2ヶ所 ガス給湯器(都市ガス)、エアコン×5台、照明器具×26ヶ所 |
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断熱材 | 床:押出法ポリスチレンフォーム保温材35mm 壁・天井:グラスウール10K 75mm |
|
耐力壁 | 構造用合板厚さ9mm、筋かい45mm×90mm |
性能の異なる5つの住宅タイプのトータルコスト(初期費用と住み始めてからの費用)について比較してみます。
… 建築費
… 35年間のメリットを考慮した建設費
建築基準法レベルの住宅の金額 | 長期優良住宅の金額 | ||
---|---|---|---|
建 築 費 |
「建築基準法レベルの住宅」 の建設費 |
29,667,000円 | 29,667,000円 |
性能アップによる増額分 | 0円 | 2,548,700円 | |
①計 | 29,667,000円 | +2,548,700円 32,215,700円 |
住 宅 ロ | ン |
固 定 | 借入金 (フラット35S(A)プラン活用) |
フラット35不可 【A社固定の場合】 26,700,000円 (頭金 296.7万円用意) |
28,900,000円 (頭金 331.5万円用意) |
---|---|---|---|---|
返済額(返済期間35年) | 91,212円/月 | 当初5年 87,922円/月 6~10年 91,017円/月 11年以降 93,689円/月 |
||
総返済額②(頭金+総返済額) | 38,309,040円 (41,276,040円) |
38,842,737円 (42,158,437円) |
||
③諸費用 | 876,161円 | 824,987円 | ||
変 動 | 返済額(返済期間35年) (頭金+総返済額) |
74,749円/月 (34,361,580円) |
80,908円/月 (37,297,060円) |
|
総支払額(頭金+総返済額+諸費用)②+③ | 42,152,201円 | 42,983,424円 |
メ リ ッ ト | 35 年 間 | |
支 援 制 度 に よ る 経 費 節 減 |
補 助 金 等 |
④ZEH補助金 | ー | ー |
---|---|---|---|---|---|
⑤地域型住宅グリーン化事業補助金 (契約条件あり) |
ー | 1,350,000円 | |||
⑥こどもエコすまい支援事業補助金 | ー | 1,000,000円 | |||
税 金 の 特 例 |
⑦所得税 (ローン減額総額) |
2,072,505円 | 2,205,779円 | ||
⑧登録免許税(税額) (建築基準法レベルの住宅と比較) |
16,455円 (0円) |
10,970円 (5,485円) |
|||
⑨固定資産税(減税分) | 259,038円 | 434,338円 | |||
⑩地震保険(保険料) (建築基準レベルの住宅と比較:35年間) |
55,062円/年 (0円) |
33,052円/年 (770,350円) |
|||
⑪光熱費(冷暖房費) (建築基準レベルの住宅と比較) |
41,000円/年 (0円) |
27,000円/年 (490,000円) |
|||
居 住 環 境 |
大地震後の継続使用 | 保証されていません | ほぼ被害がなく 住み続けられます |
||
ヒートショック | 可能性があります | 防ぐことができます | |||
⑫メリット(35年間) ⑥(選択)+⑦+⑧+⑨+⑩+⑪ (建築基準法レベルの住宅と比較:35年間) |
2,331,543円 (0円) |
+2,574,409円 4,905,952円 |
メリット(35年間)を考慮した建設費 【建設費①計 - ⑫メリット(35年間)】 (建築基準法レベルの住宅と比較:35年間) |
27,335,457円 (0円) |
-25,709円 27,309,748円 |
---|
家を建てるときは、はじめに払うお⾦だけではなく、住み続けることでかかるお⾦のことも考えて、総合的に判断することが大切です。
そして何より、⼤地震が起きた後も安⼼して住むことができる環境も、みんなが毎⽇健康で快適に暮らせるってことが、お⾦には代えがたい、⼀番⼤切なことです。
ハウスメーカーや⼯務店の⽅も、きっと親⾝になってくれます。
建築の専門家に
ぜひ相談してみてください。